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歴史観を養い、いまの社会に生かすーー八幡和郎 著「民族と国家の5000年史(育鵬社)」を読んで

こんにちは、やなか信人です。

「民族と国家の5000年史(育鵬社)」を著した八幡和郎(やわたかずお)氏と、ちょっとしたきっかけで新幹線を待つしばしの間、歓談の機会を得た。寸鉄人を刺す勢いの筆致の文筆家とは思えない物腰の柔らかい方だ。そのとき5月に新刊本が出たことを伺い、私の夏の読書のリストに加えられていた。

歴史ファンにとっては、世界史のなかに不老不死の薬を求め中国から日本に渡ってきたという徐福伝説が取り上げられていることが嬉しい。前職の編集者時代にロマンのある徐福の足跡を追いかけたことがある。

5000年もの膨大な文明の記録をわずか1冊にまとめるのは容易なことではない。氏の豊かな見識と研究に裏付けられた本書は教科書の知識を補うに余りあるほど思考を深めるレシピが俊逸で、これまでに得た知識とはまた別の視点から比較検証するといった試みができると思う。

世界史といえば、高校生のときに授業を書き留めたノートが今でも手元に残っており、ナチスドイツの残虐な手口が事細かくぎっしりと記されていた。「歴史を学ばないと私たちは同じ過ちを繰り返す」と歴史観の重要性を教えて下さった恩師の熱い思いが伝わってくる。

この書の白眉は現在の民主主義に至るまでの紆余曲折の記述と世界情勢についての分析だ。私たちの眼前には、コロナ禍やウクライナへの侵略といった誰も予想したことのなかった世界が広がっている。そのようななか、この書は私たちが間違った道を歩まないためのヒントを与えてくれる。

さて、今週よりさいたま市議会の定例会が始まった。決算審査を行うため、45日に渡る長い会期となる。市民の皆さまの付託に応えられるよう、読書や調査研究で得た知識を生かし、積極的に発言をしてまいりたい。

※この書籍については、詳しくは次の版元ホームページをご覧下さい。 民族と国家の5000年史──文明の盛衰と戦略的思考がわかる(育鵬社)

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